ネットを検索していると、
マンション、アパート経営で不労所得を得るノウハウや、働かなくても、月に数十万円入ってきてウハウハです。
というページを見かけます。
ほとんど無料の古い戸建ても、古い家を好む人がいるから、必ず借りる人がいますから、儲かります。
田舎に短期滞在したい人や外国人の旅行者が借りることもあり、そういう人をターゲットにすれば、必ずもうかる。
と謳っていることもあります。
勤める会社にマンション経営や投資の電話がかかってくることもあります。
私は、投資するお金もないので断りますが、何度も電話がかかってきてしつこいです。
中には、アパート経営のノウハウを情報商材として、数万円で販売していることもあります。
実際、儲かるのでしょうか。
私が住んでいるところは、都市部ではありませんが、通勤圏内です。
都市部と違って家賃は安いはずですた、近くのアパートには、空いている部屋があります。
自己破産する前に住んでいた賃貸アパートも空き部屋があり、そのアパートの入居率は6割くらいでした。
一戸建ての空家も多くみられます。
全国的にも空家は増加傾向だそうです。
知人で、工場経営をしながら、アパート経営を始めた人がいます。
彼は、本業の工場が儲からなくなり、空いた土地を使ってアパート経営をしています。
アパートは、2000年前半に建てています。
アパート経営は、儲かるまでに15年待つ必要がある。
アパートを建てるのに数千万円かかったと言っていました。
アパートの部屋に全員が入居したとして、建築費用など、投資したお金を回収するまでに、10~15年かかると言っていました。
中古物件を購入しても、リフォーム費用などを回収するまで数年から10年くらいかかるため、この大家さんは、新築にしたそうです。
新卒の従業員寮として新しいところに住んでもらいたかったようでした。
管理運営は不動産屋さんに任せる
現在、管理運営を不動産屋に任せており、その費用は、賃貸収入の、20~30%程度だそうです。
管理運営費は、契約内容や不動産業者によって、変わるそうです。
当初、収入はなるべく自分に入るよう、管理運営を業者に任せず、アパートの掃除や修繕、トラブル対応などを大家さん自身がやっていたそうです。
入居者からは、週に数回、昼夜関係なく何らかの依頼があるそうで、本業をしながらだと大変だそうです。
- 便所が詰まった。
- 蛍光灯を換えたいのだけど、うまくできない。
- 窓を割ってしまった。
- 水の色がおかしい。
- カーテンレールが外れた。
など、住人が自分でできそうな相談があるそうです。
高齢の方や修理などが苦手な方、アパートの修理は自分でやってはいけないのではないかと疑問を持つ方などもいます。
大家さんは、入居者には気持ちよく暮らしてもらいたいと、なんでも相談に応じていたのですが、本業に影響が出ることもあったそうです。
本業で納期ギリギリの仕事をしているようなときなど、一人でアパートの入居者対応と本業、どっちもやらなくてはいかず、寝られないこともあったそうでした。
賃貸アパートは、入居者の入れ替わりが多いほうが儲かる?
賃貸アパートは、入居者が数ヶ月から1年くらいで入れ替わるなど、入れ替わりが多いほうが、敷金、礼金、保証金分が儲かると聞いたことがあります。
あまり長く住んでいなかったり、一人暮らしで昼間仕事に出ている方だったりすると、室内はほとんど汚れないため、掃除の手間やクロスの張り替え、畳の交換をしなくて済むということもあり、丸もうけのこともあるそうです。
この大家さんは、入居者が入れ替わるときに、自分で掃除をしていました。
ある入居者が入れ替わるとき、前の入居者がギリギリまで住んでいて、次の入居者が入るまでの期間がないときは、大家自ら掃除できずに清掃業者を頼んだこともあったそうです。
外部の清掃業者を頼むと数万円かかるそうです。入居者から敷金、礼金、保証金をもらっていても、儲からないと言っていました。
経営者とサラリーマンの感覚が違うので、この大家さんが言っている「儲からない」が、どの程度か分かりませんが、他のことで稼いだほうがよかったと後悔しているようでした。
親族や本業のパートさんになどにバイト代を払って掃除などをやってもらうことで管理運営会社に頼むより安く経営していたこともあったそうですが、部屋の状況を見て、アルバイトさんに掃除の内容などを指示したり、掃除後に確認したりすることがあるため、数年で、管理運営を不動産業者に任せることにしたそうです。
この大家さんのアパートですが、社員寮として機能させたころは、満室になった時期もあったそうですが、半分くらいしか入っていない期間のほうが多かったそうです。
建ててから約15年経ちますが、投資した費用は回収できていないそうです。
この大家さんは、アパートを手放したいそうです。このアパートが建っている地域の賃貸物件は、空き部屋や「入居者募集」の看板が目立つようになってきているためです。
築15年経つと、修繕するところも出てくるそうで、数百万円必要だと嘆いています。
建てた当時は、アパート経営も流行っていて、息子さんたちに資産として残したいと考えていたそうです。
1980~90年代は、儲かったのかもしれません。
平成の頃は、私を含め、友人なども住むところを探すのが見つからないことがありました。
大家さんは、今思えば、太陽光パネルにしておけばよかったと後悔しています。
太陽光パネルなら、工場の屋根や空いた土地がフルに使えるからだそうです。
大家さんは大変なことも多い
ここで紹介した大家さん自身は、これまで下記のような経験はないそうですが、今後あるかもしれないと心配しています。
・家賃未払いの方への対応。
・夜逃げ
・身寄りが無い方が、アパートで亡くなる
・火事(保険に入っていても、火災があった場合、その後の対応が大変)
・アパートの住人同士のトラブル
・ゴミ出しマナーなどが悪い住人への対応
・ペットを飼う住人
・許可なく民泊を始める住人
都内なら民泊もできる
法律が変わり、年間180日までなら、許可が不要だそうです。
この大家さんも民泊を考えたのですが、地域住民とのトラブルも聞くし、外国語ができないので、やらないと話していました。
これから高齢化社会になると、孤独死も増えるかもしれません。
私の近所でも、身寄りが無い方が亡くなっていたり、夜逃げしていなくなったりしたことがあります。
アパートではありませんが、私の近所の一戸建てに暮らしていたお年寄りが孤独死され、部屋の片づけなどをしたことがあります。
遠くに親類がいましたが、部屋の後始末などに、来てくれませんでした。
夏場で臭いもあったため、近所の方たちと私たち夫婦で掃除をしました。
亡くなった方は、犬や猫を数匹飼っていて、その犬や猫たちの処理も大変でした。
住人が無くなってからの数日間、犬や猫たちは、開けっぱなしの窓から出入りしていて生き延びていました。