同僚が50kWの太陽光パネルを畑の横に設置しています。
一般家庭の屋根用の10~30倍の発電量です。
年間、200~250万円の収入があり、8年で元が取れる予定だそうです。
資産運用として、当初、株などの投資を考えていたそうですが、彼は土地を持っているため、確実に儲かる太陽光発電にしたそうです。
小規模太陽光発電
太陽光発電と言っても、大企業がやるメガソーラー発電ではありません。
一般家庭の屋根より広い面積での太陽光発電の運用です。
同僚は、この小規模太陽光発電所のオーナーです。
一般住宅の太陽光発電
別の同僚は、自宅の屋根に3kWの太陽光パネルを設置しています。
一般家庭では、2~5kW程度のものが多いようです。
年間、15万円程度の収入があります。
他にも、すでに運用していたり、興味を持っている人は多いように感じます。
いずれも、元がとれるようになるまで、約10年程度かかるそうです。
設置業者のパンフレットを見ても、回収するまでに8~11年くらいと書かれています。
発電した電気の買取価格が変動しているため、10年後どうなるかはわかりません。
太陽光発電の設置費用と収入
一般住宅の屋根
一般家庭の屋根なら、設置などに130~180万円
同僚は、2016年に150万円くらいで設置したそうです。
売電による収入は、年間、10~18万円くらだそうです。
10年くらいで、回収できそうだとのことです。
小規模太陽光発電設備
2016年に1700万円で設置し、年間の収入は、200~250万円だそうです。
複数の業者から見積もりを取ったところ、設置費用は、1500~2500万円だったそうです。
2018年現在、同僚が購入した50kwの太陽光発電システムの価格は、1300万円くらいだそうです。
彼は、余っている土地があるため、もっと大規模に発電したかったそうですが、発電電力が50kWを境に手続きやメンテナンス費用が大きく変わるため、49.5KWにしたそうです。
50kW以上になると、申請手続きが複雑であったり、義務付けられる設備も必要になったりします。
設備が複雑になれば、維持するためのメンテナンス費用もかかるようになります。
設備も設置面積も増えるため、設置工事費用もかかります。
同僚の場合、実際の土地の面積を全て活用すれば、200kw程度の発電量が確保できたそうです。
同僚が契約した業者によると、50KW以上の発電設備でも法律に違反することなく少ない投資で行う方法があるそうです。
彼の場合、畑だったところに太陽光パネルを設置しました。
雑木林なども所有しており、伐採と整地費用もかかるため、そこへの設置は考えなかったそうです。
太陽光発電システムのメンテナンス(保守点検)
最初に支払う費用には、10年分の保守管理費用が含まれているそうですが、掃除費用は含まれないそうです。
地面に置くタイプの場合も同様で、雑草など草刈りの費用は含まれません。
掃除費用が含まれる業者もあるそうですが、費用がかかるため、掃除の費用は含まれないところが多いのではないかと思います。
点検で掃除が必要な場合は知らせてくれます。
パネルの掃除費用は、一般家庭の屋根の場合、5~15万円だそうです。
私の仕事関係の知人に、太陽光パネルの掃除をやっている人がいます。
彼に話を聞きました。
太陽光パネルの掃除
パネルを掃除しないと発電効率が下がりますから、掃除をする必要があります。
太陽光パネルの洗浄方法
屋根に人が上がって洗浄する
掃除方法は、屋根に登って、2人1チームで掃除をします。
人件費、1人2万円程度です。
掃除用の水は、業者が持参する場合と現地で調達する場合があります。
人件費のことを考えて、バイトを雇うこともあるそうですが、危険を伴いますので、屋根での作業はやらせたくないそうです。
死亡例もあります。
命綱(安全帯)を使用しますが、仕事の効率を考えて使用しない人もいます。
私も高所作業をすることがあるので、同様のことを感じます。
高所作業車を使っての洗浄
高所作業車を使う場合、作業者のみ半日で4~5万円くらいです。
知人の業者の場合、高所作業者を使って、2名で作業して10万円くらいだそうです。
以前は、ライバル会社が少なかったため、15~20万円くらいだったそうです。
金額は、年々、下がっているそうです。
高所作業車使用なら安全に作業ができるため、この方法が多いそうです。
ホースや高圧洗浄機を使っても取れない汚れがあります。
この場合は、手作業で行います。
鳥の糞などは取りきれない場合があるとのことです。
パネル面に砂などがのっていると、パネルを傷付けるため、まず水洗いをするそうです。
黄砂の時期には、細かい砂がパネル面に付いていることがあります。
永年使っている太陽光パネルは傷が多いそうです。
高圧洗浄機を使う場合、水圧により、パネルの枠を壊したり、配線のカバーなどを壊してしまうこともあるため、注意が必要です。
ほとんどの太陽光パネルメーカーでは、高圧洗浄機による掃除は推奨していません。
太陽光パネルや関係のパーツは、常に太陽光に当たっています。
関係機器が紫外線により劣化しているため、ボロボロのことがあります。
丁寧に掃除するには、時間がかかります。
太陽光パネルは常に風雨にさらされているため、振動によりパネルや機器のネジが緩んでいることがあります。
掃除中、緩んだところやすき間などから水が入ってしますこともあります。
掃除業者は、ネジの増し締めなどを行いませんから、事前に確認が必要です。
洗浄する場合は、設置業者や契約業者によるメンテナンスの後がよいです。
屋根の上に送電用の電線があり、鳥の糞に覆われた太陽光パネルを見たことがあるそうです。
家主さんも、掃除にお金がかかるので放置しているのでは、とのことです。
これから太陽光パネルを設置される方は、自宅の上部に電線があるかどうかや屋根に糞が落ちていないか確認してから、設置の検討をしたほうがよいそうです。
ロボットによる太陽光パネルの掃除
掃除用ロボットは、これから普及するかもしれません。
まだまだ高価です。
数十万円のものもありますが、一定機能があるものは、100万円以上します。
ルンバのようなタイプのものもありますし、パネル面をブラシが平行移動するようなタイプのものもあります。
ロボット使用の場合、洗浄用の水の使用量が少ないと謳っているものがあります。
水が少ないと砂や鳥の糞などパネル面に付着している粒子により、表面に傷を付けてしまうような気がします。
以前、展示会で同様のことをメーカーに質問したところ、そこまでは考慮していないと感じました。
また、パネル全体を掃除するには、ロボットの電池が持たないと思います。
当然ですが、ロボットをパネルのとことまで持っていく必要がありまし、回収も必要です。
清掃ロボットは、水や洗剤なども積んでいますから重くなります。
これを屋根に持っていくのは重労働です。
電池が消耗して、人の手が届かないところで停止することもあります。
水や洗剤が無くなったら、補充が必要です。
作業者の落下などを回避できるシステムですが、まだ、課題が多いと思います。
太陽光発電所の草刈り
草が伸び、パネル面を覆ったり、影になったりすると、発電効率が落ちます。
そのため、除草剤を使ったり、防草シートなどを地面に敷いたりします。
除草剤は、年、1、2回使います。
同僚は、防草シートを使用していましたが、すき間や破れたところから草が生えてくるようになったため、除草剤を併用しています。
防草シートは、太陽光パネル付近のみで、フェンスで囲まれた他の敷地は、除草剤を使っています。
太陽光パネルの脚の部分は、防草シートにすき間ができます。
ヤギや羊を使う方法もあるそうです。
動物がいると、鳥が寄り付きにくくなるそうです。
ヤギは、パネルに登ることがあるそうです。
50kW太陽光発電所を運用している同僚によると、太陽光パネル設置時の防草シートの工事は160万円くらいだったそうです。
自分でやれば、防草シート代だけですみます。
防草シートの耐用年数は、数年ありますが、彼によると、1,2年で必ず破れるので、自分でメンテナンスすることになるそうです。
破れた箇所を補修したところ、素人がやっても、あまり変わらないことに気付いたそうです。
太陽光パネル設置工事が終了し草が生えてこないうちに、自分でやれば100万円以上安くなったのではないかとのことです。
必要な面積分の防草シートを購入しても、10万円かからないそうです。
草刈り機でケーブル類を切ってしまうことがあります。
太陽光設備では関係ないかもしれませんが、農家の設備、その他の電気関係の機器類のケーブルを草刈り機で切ってしまうことがよくあります。
息子さんが設置した太陽光システムの施設内に生えた草を、そのお父さんが善意で刈ってしまうことがあるかもしれません。
農家や牧場などで、家族や関係者が草刈りをしていて、ケーブルを切ってしまうことが時々あると聞きます。
パネルの割れ
パネルのガラス面は割れます。
鳥が石やエサなどを落としてしまい、パネルが割れることがあるようです。
カラスがクルミを落として割ったり、石を落とす映像を見たことがありませんか。
また、子供が投げた石が当たったり、郊外では、ゴルフボールが飛んでくることもあります。
打ち上げ花火の破片が降ってくる地区もあります。
郊外では、鳥を撃つため為の猟銃(散弾銃)の玉がバラバラと降ってくることがあります。
大きさは数mm程度です。
私は、子供の頃、散弾銃の玉が家に落ちてくるようなところに住んでいたことがあります。
太陽光パネルは、落ちてきた散弾銃の玉くらいでは割れないと思いますが、撃たれてしまった鳥が落ちてくることがあるかもしれません。
台風が来れば、強風により、折れた木の枝や、家屋の部材や看板などが飛んでくることもあります。
火事
山火事や不適切な工事による火災が起こるかもしれません。
太陽光ではありませんが、以前、私が見た火事の原因と思われるもので、不適切な工事の例として、ケーブルの接続部分が処理がおかしいものがありました。
また、ケーブルがぐるぐるに巻かれたり、束ねられた状態で、発熱したと思われるものもありました。
工事は適切だったが、持ち主が整理する中で、大量のケーブルが束ねられて発熱したと思われるものもありました。
また、海岸近くでは、腐食したところから、海水を含んだ水が風に乗って入り込み、ショートしたような跡があったこともあります。
私は機械設備の保守で、ネズミにかじられたケーブルを見つけることがあります。
感電死したと思われるネズミや小動物を見たこともあります。
通信設備が動作しなくなったため、点検したところ、ネズミの巣があり、ケーブルがかじられていました。
野山や森が近いところや山間部では、よくあることです。
保守契約の内容についての注意点
パネルの汚れやゴミなどの付着の掃除と同様、点検時に見つかった不具合は、お知らせがありますが、修理は別のこともあるそうです。
連絡はあるが、修理料金は別
不具合について、メンテナンス業者からオーナーに連絡があり、オーナーから修理の要請をすれば、対応してくれる場合もありますが、料金が別になってしまう契約もあります。
点検で、ねじの緩みや腐食などが発見された場合、連絡があり、依頼すれば、全面、増し締めや部品の交換をしてくれますが別料金の場合があるそうです。
同僚は、以下のような保守契約を結んだそうです。
・ネジの腐食、緩みがあった場合の交換、増し締めしてくれる。
・パネル面にゴミなどがある場合は取り除く。(清掃は別料金)
・配線の異常
・パネルが正常に動作するかどうかの点検
・アース工事の異常や漏電の点検
・表示パネルや監視装置の点検
・フェンスの異常(修理は有償)
・緊急時の初期対応。(漏電、火災や事故につながりそうな不具合等)
監視装置のモニターは、自宅にあるそうです。
設置場所が自宅から数百メートルと近いため、メンテナンス業者による常時監視の契約は付けなかったそうです。
しかし、緊急時の初期対応が契約に含まれているため、自宅の監視装置との線引きが、どこなのか不明でした。
同僚は、電気的な不具合については、監視してくれているんじゃないかな?とのことでした。
電気系統の部品のほとんどは、保守契約に含まれているそうです。
フェンスに異常があった場合の修理は、有償とのことです。
大規模な太陽光発電所には、フェンスを設ける必要があります。
同僚によると、メーカー保証があるパーツも多く、保証期間がある部品にもかかわらず、修理費や部品代が請求してくる業者もあるから、契約時や契約内容には注意する必要があるそうです。
太陽光発電設備の銅線が盗まれる
銅線は高く売れます。
ソーラーパネルは、盗難被害を受けやすい場所に設置されることがあります。
メンテナンスがされていない、架台周りの雑草が伸びている、ソーラーパネルに鳥の糞が付いたま放っておかれている状態にあれば、このシステムは監視がされていない、人が来ない場所なのだという印象を泥棒に与えてしまいます。
大手企業のメガソーラー発電所には、警備員がいます。
監視カメラ(盗難対策、異常発見)
スマホで現場を見ることができるシステムがあり、現場を映像で確認したり、現場に異常があると携帯、スマホに情報が送られてきます。
メンテナンス会社でモニタリングすることもあるそうです。
常時、見ているのかな?
警備会社と連携しているメンテナンス会社もあるようです。
太陽光パネルの価格と効率など
2018年現在、1平方メートルあたり、9万円から11万円です。
太陽光パネル1平方メートルの発電電力は、170W程度です。
太陽エネルギーは、1平方メートルあたり1000W=1kWです。
太陽光パネルの効率は約17%であるため、1000×0.17=170Wです。
屋根の面積が25平方メートルあり、すべてに太陽光パネルを設置した場合の発電電力は4.25kWです。
50kWの太陽光発電所を作るには、約300平方メートル必要です。
もちろん、すき間なく設置した場合の計算です。
実際には、パネルの枠もありますし、すき間もあります。
太陽光パネルの効率は、年々低下します。
法定耐用年数は、17年です。
契約書や仕様書等を見ても、「耐用年数17年」と書いてあります。
実際は、どうでしょうか。
太陽光発電は、過渡期(移り変わっていく)であるため、よくわかっていません。
20年くらいは持つと思いますが、効率は少しずつ落ちていくはずです。
また、ケーブルや制御機器などは、10数年で故障するものが出てくると思います。
私は、仕事の関係で、外部のケーブル等の交換をすることがあります。
10数年で、ケーブルの表面が割れてきたり、制御機器の箱や内部の部品が壊れているのを見かけます。
制御機器が入ったボックスは、台風や昆虫、小型の動物等により、数年で壊れるものもあります。
紫外線にさらされたプラスチック製のボックスやケーブルは、年々、劣化していきます。
発電施設には標識の設置が必要
太陽光発電設備を設置する場合、標識の設置する必要があります。
工事現場にあるようなもので、発電事業者の住所や電話番号を掲載する欄がありますが、保守点検事業者がある場合は、業者の住所、電話番号を記入すればよく、個人の住所、電話番号は記載しなくてもよいことになっています。
同僚も個人情報の記載をせず、保守業者の情報を記載しています。
この標識は、20KW未満の場合、不要です。
家庭の屋根に取り付けるものは、2~5kW程度のものが多いと思います。
FIT法の固定価格買取制度について(買取義務)
再生可能エネルギーの買い取り制度は、太陽光発電や風力発電などで発電した電気を電力会社が一定価格で買い取ってくれる仕組みです。
発電した電気は、必ず買い取ってくれることになっています。
再生可能エネルギー賦課金(再エネ賦課金)
再生可能エネルギーの導入には、コストがかかります。
そこで、電気を利用する一般家庭から賦課金(ふかきん)という形で、全体でお金を負担し普及を促進します。
負担金は、発電設備を持たない家庭も支払うことになっています。
電気料金と合わせて支払います。
平均的な家庭での負担金は、月792円です。
負担金は、電気の使用量に応じて決まります。
再エネ賦課金=使用電気量(kwh)×2.64円
FIT法、買取の対象となる再生可能エネルギーについて
買取の対象は、太陽光、風力、水力、地熱、バイオマスのいずれかです。
10kW未満の太陽光の場合は、自分で消費した残りの余剰電力が買取の対象になります。
太陽光パネルは、構造が簡単でメンテナンスが容易ですが、天候に左右されます。
それでも、発電した電気を買い取ってくれるため、10年程度で費用が回収できるそうです。
風力発電は、風があれば昼夜問わず発電できますが、風がない日は発電しません。
無風の日もあります。
私の知人の会社の社長宅に風力発電装置を設置した際にお手伝いをしたことがあります。
数年使用しましたが、台風で壊れてしまいました。
羽根が近所の庭に落ちていました。
風力発電の羽根が回ると騒音が出て、これが耳障りという人もいます。
また、発電機から火花が出て、ラジオやテレビなどのノイズの原因になりました。
設置当初は、問題なかったのですが、屋外で使用しているため部品が劣化してきます。
上の社長といっしょに300W程度のミニ水力発電もやってみたことがあります。
300Wですから、パソコンやテレビ程度なら動きますが、電子レンジは動きません。
養殖池への流れ込みで実験を行いました。
水草やゴミが絡み、止まってしまうことがよくありました。
ゴミを取るための網などを取りつけても、完全ではありません。
定期的に見回ることが必要ですし、掃除が大変でした。
川の上流部でも、秋は落ち葉が多くなります。
社長は、地熱発電やバイオマス発電はやったことがありません。
この社長は、土地があるなら、別のことをやりたいと太陽光はやりませんでした。
風力や水力を試していた2000~2010年頃、太陽光パネルが高価だったという理由もあります。
出力制御、出力の抑制
省令により、発電電力が電力消費量より大きくなると、電力会社では発電電力を抑制します。
電力会社では、余剰電力を使って、ダムの下にある水をダムの上に揚げたり、火力発電の発電出力の抑制を行ったりします。
他の地域の電力会社に電力を供給することもあります。
他にも対応しますが、太陽光発電や風力発電の出力制御の順番は後になります。
ダムの水を下に落とす水力発電や地熱発電は出力制御の対象外です。
原子力発電は、出力制御をすることにより、圧力や温度が変動し、故障の原因になりますから緊急時以外は、出力制御を行わず一定出力(定格出力)の発電をします。