陳述書に生活状況や借金の経緯、財産の状況、今後の生活改善に向けての決意などを書きます。
陳述書(ちんじゅつしょ)
とは、日本の民事訴訟において当事者から提出される証拠の一種であり、訴訟当事者や関係者の言い分などをまとめたものに、本人が署名押印をした書面をいう。
自己破産陳述書を作成する。
弁護士さんが用意した書類に書き込むようになっていて、私が手書きで記入後、弁護士さんがワープロで打ってくれました。
弁護士さんが、ワープロ打ちし、出力したものを私が確認し、署名、押印しました。
この陳述書を破産申立書といっしょに裁判所に提出します。
提出は、弁護士さんが行います。
陳述書の様式は、各裁判所によって、様式が異なるようです。
作文が必要なところもありました。
200~400字程度です。
この陳述書を書くのに、私は、約1ヶ月かかりました。
関係の資料を集め、それを基に書くため時間がかかりました。
妻も同時に破産手続きをしたので、妻も同様に書きました。
以下は、陳述書の記載内容の項目例です。
該当しないところは、未記入で提出しましたが、記入なしで裁判所に提出されます。
自己破産陳述書の内容
経歴・家族・職歴等
- 最終学歴
学校名を書きます。 - 経歴、職歴
最終学歴以降の職歴を書きます。
・勤めていた期間
・所在地
・会社名
・月収(手取り)
・退職金 - 家族
勤務先、学校名等
別居の両親も書きます
同居人に収入がある場合は、次の資料を提出します。
・給与明細
・所得証明書または源泉徴収票
・課税証明書
・年金受給者証明書
・年金受給者証明書 - 結婚、離婚歴
生活、家計の状況等
- 現在の職業
・業種
・会社名
・地位
・月収(振込口座)
証明書として給与明細書 過去3ヶ月分(自営の方は、過去3年分の確定申告書)
・賞与(年間の額)
・退職金(申立書提出時に退職した場合の支給額)
退職金規定、退職金見込額証明書等、現時点で退職した場合の金額が分かるものを提出します。
退職金がない場合は、それを証明するものが必要です。
※給与と賞与は、別に提出する預金通帳でも確認されます。
・アルバイトや副業をしている場合は、その業種や会社名等
・無職の場合は、その理由
・病気等の場合は、その証明書 - 家計の状況
・3ヶ月分の収支を月ごとに書きます。
・支出の内訳を記入します。収入(世帯全体)
本人と同居者全員分を書きます。
給料、年金、児童手当等の公的給付、
親族からの援助、その他
※ それぞれ、関係の証明書が必要です。
※ 子供のアルバイトは、生活を助けているのであれば書きます。
収入に子供がもらったお年玉や親族からのお小遣い等は含めなくてもよい。支出
住居費、光熱費、食費、車両関係、電話、新聞、
医療、被服、教育費、雑費、交際費、保険、その他
翌月への繰越
※住居が賃貸の場合:賃貸借契約書
※不動産:不動産登記簿謄本、固定資産税証明書
※車:自動車登録証(車検証)
※保険:保険証書 - 住居
・自分の持ち家
・配偶者の持ち家
・借家
種類、家賃、資金等
・親族のもの 等
・過去の転居の有無と転居費用の調達方法
破産に至った経緯等
下記について、箇条書きしました。
また、破産に至った経緯について、作文します。→ 記載例へ
- 負債の状況
・債権者一覧
債権者との関係も記入(金融業者、親、兄弟、知人、雇用者等)
・滞納税金等一覧 - 債務増加の経緯
・どうして借金をしなければいけないのか。
・誰から、どのようにお金を借りたのか。
・借金をして、何に使ったのか。
・返済は、どのように行おうとしたか。 - 破産手続き申立てをしなければならなくなった経緯、原因、理由
・ギャンブル
・浪費
・無計画な支出
・見栄を張った生活
・医療費
・事業に失敗
・会社が倒産
・家族が破産
・保証人になったが、本人が支払い不能になった - 返済について
・返済できなくなった時期、理由
・借金の返済のために、お金を借りたか。借りた場合、いつから、どの金融機関(親族、知人)から借りたか。 - 最後に借りたのはいつか。
・時期
・債務者
・その時期の借金の合計
・その時期の月収
・その時期の1ヶ月の返済金額 - 返済が難しいと感じた時期
・時期
・理由
・その時期の月収
・その時期の1ヶ月の返済金額 - 返済状況
・全く返済していない債権者(金融業者)があれば、支払いをストップした時期
・一部を支払っている債権者
・一度も払っていない債権者 - 借金をするようになってからの支出状況(生活以外のもの)
・ギャンブル(パチンコ、競輪、競馬、競艇等)
時期や月々の金額
・キャバレー、風俗遊び
時期や月々の金額
・20万円以上の商品の購入
車、貴金属、絵画、洋服等
時期、金額
・株、先物取引、FX等
時期、金額、口座等
・趣味
時期
月々の支出金額
・旅行
時期、行き先、支出金額 - 換金を目的にクレジット等で商品を購入し、換金したことがあるか。
- 架空のローンを組んだことがあるか。
- 債権者と話し合いはしたか。
債権者(借金した金融会社)のリストも作成します。
財産
- 所有している債権
誰かから、支払ってもうらう予定のものがあるか。 - 離婚している場合
・養育費(月額)
・慰謝料
・財産分与
・相手の住所、氏名 - 預金通帳のコピー
10年分という指示でしたが、私は、金融業者から借金をした頃から現在までの約12年分を提出しました。
→ 後に裁判所の指示で、就職してからの通帳のコピーをすべて提出しました。 - 不動産の処分
・土地、建物、マンション等
・購入(入手)時期
・購入方法
・処分年月日、処分方法
・処分価格 - 過去1年間の財産(不動産以外のもの)の処分
・貴金属
・絵画
・株券
・会員権
・車
・着物、洋服
・保険の解約
・その他私の場合、生命保険を解約し、その金額を記載した。
保険の解約金(返戻金)は、一旦、私の口座に入金されました。 - 財産の相続(過去に)
亡くなった方の○○を相続した。等 - 退職金(過去に)
・時期
・金額
・受領したことを示す書類 - 慰謝料(過去、支払いを受けたもの)
・時期
・金額
・受領したことを示す書類 - 保険金(過去、支払いを受けたもの)
・時期
・金額
・受領したことを示す書類 - その他、過去に20万円以上の財産を手に入れたことがあるか。
- 現在、財産に関して、差押さえ、訴訟、国税滞納等があるか。
私は、株はやっていませんでしたが、外国為替証拠金取引(FX)をやっていました。
ちょうどアベノミクスで利益が出ていましたが、一旦、すべてを通帳に移し、取引明細も提出しました。
関連事件の有無
※破産は、破産事件と呼びます。
現在、自分が代表をしている法人が破産、再生手続きをしていないか。
現在、連帯債務者がいて、破産、再生手続きをしていないか。
現在、自分が保証人になっている債務者が破産、再生手続きをしていないか。
現在、配偶者が破産、再生手続きをしていないか。
ある場合は、関係の書類を提出する。
私の場合、これから妻と同時に破産手続きを行うことを記入しました。
過去の債務整理、破産手続き等
- 債務整理をしたことがある場合
・時期
・資金援助者
・金額
債務整理をしたにもかかわらず、破産手続きをすることになった理由、原因等 - 過去に破産手続きしたことある場合
・時期
・裁判所
・免責決定(借金がチャラになったか)を受けたか自己破産をしたにもかかわらず、再び破産手続きをすることになった理由、原因等。自己破産が認められなかった場合は、関係証明書。 - 個人再生手続きの有無
・時期
・裁判所
・再生手続き廃止または再生計画不許可の決定がされたか - 給与所得者等再生手続きの有無
今後の生活の見通し(作文します)
400字程度(A4レポート用紙、1/3~1/2くらい)記入しました。
(裁判所によっては、A4レポート用紙1枚くらいのところもあるようです)
今後、破産手続きをしなよう、生活の改善や決意を書きます。
①借金をしてしまった理由、原因
②具体的な生活の改善方法
③決意(最後に2~3行くらいでよい)
以下のような内容を盛り込みます。
- 借金をしない。
- ギャンブルはしない。
- 家計簿を付ける。
- 収入の範囲で遊ぶ。
- 趣味にお金をかけない。
- 欲しいものがある場合は、お金を貯めてから買う。
- 見栄を張らない生活をする。
- 収入の範囲で生活するよう計画的を立てる。
- 生活改善によって、月にいくら貯蓄できるか。